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運命的偶然、あるいは勝負の放棄:第162話「☆めちゃパニック☆」詳論

『アイカツ!』における山田由香の脚本では往々にして、同じ事柄・構造・モチーフが様々な差異をまといつつ反復されます。このことを【162:☆めちゃパニック☆】の検討を通じて見ていきます。私が示したいのは、この回には様々な反復が仕掛けられ、かつあるモ…

見守ること、元気をもらうこと:第117話「歌声はスミレ色」再論

この記事は、アイカツ!Advent Calender2017の20日目の記事です。 こんにちは、山田由香だいすきおじさんです。脚本家 山田由香の仕事としては、たとえば超絶技巧として知られる第62話があります(「いちそら学序論 I アイカツ!62話における風沢そらの心理 …

不可能に向けて書くこと:長野まゆみ『テレヴィジョン・シティ』論

長野まゆみという作家がいる。1988年に『少年アリス』で文藝賞を受賞、その後は硬質な文体と特徴的な旧字体とで、耽美的な世界を描き人気を博した。初期の小説は幻想小説のような作風で、兄弟や親友同士の精神的なつながりを主題としていたのが、のちには肉…